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お子様の英語教育の一環として、歌で英語に触れさせるという方法があります。
私も英語の童謡が収録されている本をいただき、時々子供に聞かせています。
童謡自体は知っているものばかりでしたが、英語の歌詞を聞いてみると「意外と日本語と違う!」となって面白いです。
今回、『線路はつづくよどこまでも』『大きな古時計』の英語歌詞を紹介するとともに、歌詞の内容にまで踏み込んで解説していきたいと思います。
日本語の歌詞や訳し方には諸説あります。
あくまで英語学習の参考の1つとして見ていただければと思います。
- 『線路はつづくよどこまでも』『大きな古時計』の英語歌詞
- 英語歌詞の意味+解説
『線路はつづくよどこまでも』 (I’ve been Working on the Railroad)
日本語歌詞
線路はつづくよ どこまでも
野をこえ 山こえ 谷こえて
はるかな町まで ぼくたちの
たのしい旅の夢 つないでる
線路はうたうよ いつまでも
列車のひびきを 追いかけて
リズムにあわせて ぼくたちも
たのしい旅の歌 うたおうよ
ランラ ランラ ランラ
ランラ ランラ ランラ…
英語歌詞+解説
I’ve been working on the railroad
All the livelong day
I’ve been working on the railroad
Just to pass the time away
おいらは線路工事で働いてる
朝から晩まで
おいらは線路工事で働いてる
あっという間に時間が過ぎてく
“livelong“は「終日」という意味ですが、詩的な表現なのであまり日常会話では使いません。
“Just to pass the time away” は直訳で「ただ時間を過ごすためだけに」となるので、ただ働いて時間が過ぎるのを待っているという感じです。
日本語歌詞と違ってちょっとネガティブな内容です。
Can’t you hear the whistle blowing
Rise up so early in the morn
Can’t you hear the captain shouting
Dinah, blow your horn
聞こえるかい? 汽笛が鳴ってる
こんなに朝早く起こされるんだ
聞こえるかい? 親方が叫んでる
「ダイナ、汽笛を鳴らせ!」
“Can’t you hear“は「~が聞こえない?」という訳ですが、ここを“Can you hear”と置き換えることもできます。
“Can you hear~?”の場合は「~が聞こえる?」となります。
“morn”は”morning”の省略形です。
Dinah, won’t you blow
Dinah, won’t you blow
Dinah, won’t you blow your horn
Dinah, won’t you blow
Dinah, won’t you blow
Dinah, won’t you blow your horn
ダイナ 汽笛を鳴らしてくれ
ダイナ 汽笛を鳴らしてくれ
“won’t you~?”は「~してくれませんか?」という意味です。
“won’t”は”will not”の省略形です。
“will you~?”と意味は同じですが、否定形にすることでより丁寧な表現になります。
このように疑問文を否定形から始めるものを「否定疑問文」と言い、「こうじゃなかったかな?」という出来事に確認をとる時、や丁寧に表現したいときに用いられます。
Someone’s in the kitchen with Dinah
Someone’s in the kitchen I know
Someone’s in the kitchen with Dinah
Strumming on the old banjo, and singing
誰かがダイナとキッチンにいる
バンジョー鳴らして歌ってる
“strum”は「(弦楽器を)かき鳴らす」という意味です。
“banjo“(バンジョー)とは弦楽器の1つです。
Fie, fi, fiddly i o
Fie, fi, fiddly i o
Fie, fi, fiddly i o
Strumming on the old banjo
フィ・ファイ・フィドリ・アイ・オー
バンジョーかき鳴らしながら
“Fie, fi, fiddly i o”には特に意味はなく、バンジョーを弾いたときの楽しいリズムや音を表現しています。
補足
『I’ve been Working on the Railroad』は、19世紀アメリカにおける大陸横断鉄道の建設労働者らによって歌われた楽曲です。
当時は厳しい地形や気候も相まってとても厳しい労働だっため、原曲では鉄道線路工事の過酷さが少し描写されていますよね。
原曲は、線路を敷く工事現場で働いている“労働者”の視点から描写されていますが、日本語歌詞では列車の旅における“乗客”の視点から「楽しい旅」を夢見てる様子が描かれています。
『大きな古時計』(Grandfather’s Clock)
日本語歌詞
大きなのっぽの古時計
おじいさんの時計
百年いつも動いてた
ご自慢の時計さ
おじいさんの生まれた朝に
買ってきた時計さ
いまはもう動かない その時計
百年休まずに
チクタクチクタク
おじいさんといっしょに
チクタクチクタク
いまはもう動かない その時計
英語歌詞+解説
1
My grandfather’s clock
was too large for the shelf
So it stood ninety years
on the floor
おじいさんの時計は
棚に置くには大きすぎて
90年もの間
床に置かれていたんだ
“shelf”は「棚」という意味で、“for the shelf”は「棚に置くには」という意味の前置詞句です。
英語歌詞では”ninety years”(90年間)となっていますね。
It was taller by half
than the old man himself
Though it weighed
not a pennyweight more
おじいさんの背丈より
半分以上も大きかったけど
重さは1グラム程も違わなかった
“by half”は「半分ほど」という意味で、時計はおじいさんの身長の1.5倍以上の高さだったということです。
おじいさんの身長が5フィートだったとすると、時計の高さは7.5フィート(約229センチメートル)だったことになります。
“it weighed not a pennyweight more”は直訳すると「それは少しの重さも増していなかった」となります。
ただここは前の文章の”It was taller by half than the old man himself” を受けているので、「身長は1.5倍あるけど、重さはほとんど変わらなかった」という訳になります。
“pennyweight“は古い重量の単位で、約1.555グラムに相当します。
It was bought on the morn
of the day that he was born
And was always his treasure and pride
おじいさんが生まれた日の
朝に買ってきた時計なんだ
いつもおじいさんの宝物で
誇りだったんだ
“morn”は”morning”の省略形です。
But it stopp’d short
never to go again
When the old man died
でも急に止まって
もう動かなくなってしまった
おじいさんが亡くなったその時に
“stopp’d”は”stopped”の省略形で、「止まった」を意味する過去形です。詩的な表現として省略が使われています。
“short”は形容詞の「短い」というのが有名ですが、ここでは副詞の「突然に」や「急に」という意味になります。
ここでの“go”は「(機械などが)作動する」という意味で、時計が動くという意味で使われています。
Ninety years without slumbering
tick, tick, tick, tick,
His life seconds numbering
tick, tick, tick, tick,
90年間も休まずに
チク、タク、チク、タク
おじいさんの人生を刻むように
チク、タク、チク、タク
“slumbering”は「眠ること」をという意味の動名詞で、「90年間、眠ることなく」となっていますね。
“tick”: 時計の針が進む音を表現しています。
“His life seconds numbering”の部分は倒置になっていて、語順を戻すと”Numbering his life seconds”になります。
動詞は”number(ing)”で「数える」です。
「彼(お祖父さん)の生涯の刻々(一秒一秒)を数えて、チクタク、チクタク」ということですね。
But it stopp’d short
Never to go again
When the old man died
でも急に止まって
もう動かなくなってしまった
おじいさんが亡くなったその時に
2
In watching its pendulum
swing to and fro
Many hours had
he spent as a boy
時計の振り子が
前後へ揺れるのを見ながら
おじいさんは少年時代
多くの時間を過ごしてきた
“pendulum”は「振り子」を意味するので、時計の振り子のことを指しています。
“to and fro”は「いったりきたり」という意味です。
“fro”は「from(〜から)」と親戚関係にあり、中世英語が元になっているようです。
And in childhood and manhood
the clock seemed to know
And to share both
his grief and his joy
少年時代も青年の頃も
その時計は知っていたんだ
そして分かち合っていた
悲しみや喜びさえも
“manhood”は「成長期」「成人であること」という意味です。
“~hood”という単語は単語を名詞化(状態、性質、集団)するという役割があります。
例:”neighbor”「近所の人」、”neighborhood”「地域、近所の人々」
For it struck twenty-four
when he entered at the door
With a blooming
and beautiful bride
おじいさんが美しい花嫁と一緒に
部屋に入ってきたとき
時計は鐘を24回鳴らして祝福したのさ
ここでの“For”は「~というのも」という理由を示す接続詞で、前の文章の「時計と共に人生を歩んできた」という内容の具体例を示しています。
“struck”は”strike”の過去形で「打った」という意味になります。「それが24回打った」つまり、「24回鐘が鳴った」ということを表しています。
But it stopp’d short
Never to go again
When the old man died
でも急に止まって
もう動かなくなってしまった
おじいさんが亡くなったその時に
3
My grandfather said
that of those he could hire
Not a servant
so faithful he found
おじいさんが言ってた
彼が雇った者の中で
時計ほど忠実な召使いはいないと
“servant”は「使用人」「召使い」を意味する単語です。
ここの“Not a servant~”は倒置表現で、もともとの文は“He did not find a servant so faithful”となります。
倒置して“not a servant so faithful”というフレーズが文の冒頭に置かれることで、時計の忠実さが強調されています。
倒置することで、通常の語順よりも感情的な強調が加わります。
For it wasted no time
and had but one desire
At the close of each week
to be wound
時間を無駄にせず
望みといえばただひとつ
週に一回ネジを巻くことだけ
ここでの“For”も「~というのも」という理由を示す接続詞で、前の文章の「これまでのどんな召使いよりも忠実だった」という内容の具体例を示しています。
また、ここでの“but”は「~だけ」という意味で”only”と全く同じ意味です。
“but”は”only”よりも詩的で文語的な響きを持っており、この文脈では詩的なリズムや調子を整えるために使われています。
“close of each week”は「毎週末」という意味で、”end of each week”にも置き換えられます。
“close”は”end”よりも文学的で詩的な響きを持ちます。詩や歌詞では、言葉の選択が音の美しさやリズムに影響するため、こうした表現が好まれることがあります。
“wound”は”wind”の過去形で「~を巻く」という意味があります。ここでは時計のねじを巻くという意味で使われていますね。
And it kept in its place
not a frown upon its face
And its hands never
hung by its side
自分の居場所にとどまって
いやな顔一つしないんだ
両手をだらしなく
ぶらさげることもない
フレーズの冒頭に”not”が来ることで、強調された否定の表現になっています。
通常だと”There was not a frown upon its face”となりますが、この表現と比べて「少しのしかめっ面もない」ことが強調されます。
“frown”は「しかめっ面」という意味で、そのあとの”its”は「時計」を指しています。
”face”は「時計の文字盤」を指しているので、文字盤の表情を擬人化して表現していますね。
But it stopp’d short
Never to go again
When the old man died
でも急に止まって
もう動かなくなってしまった
おじいさんが亡くなったその時に
4
It rang an alarm
in the dead of the night
An alarm that for years
had been dumb
時計が突然真夜中に
チャイムを鳴らした
何年もの間
鳴っていなかったのに
“in the dead of the night”は、「夜の最も静まり返った時間帯」を指します。
名詞としての“dead”は通常「死者」を意味しますが、このフレーズでは「静寂」や「動きがないこと」を表しています。
「dead」は「生命がない」という意味で、時間帯が完全に静かであることを強調しています。
“dumb”という単語は、一般的には「口がきけない」という意味ですが、この文脈では「無音の」または「機能しない」という意味で使われています。
「鳴らない」という意味で”dumb”が使われており、アラームが何年もの間音を発していなかったことを示しています。
And we knew that his spirit
was pluming for flight
That his hour of
departure has come
僕たちは分かっていたよ
おじいさんの魂が
天へ昇っていった事を
旅立ちの時が来た事を
“plume“は「羽を整える」という意味ですが、ここでは「(魂が)飛び立つ準備をしている」ことを意味します。
おじいさんの魂が天に向かって飛び立つ準備をし、その時がついに訪れたという瞬間を詩的に表現しています。
Still the clock kept the time
with a soft and muffled chime
As we silently stood by his side
時計は時を刻み続けた
柔らかくやさしいチャイムで
僕たちがおじいさんの
そばに立っている間ずっと
文頭の“still”は「それでもなお」「依然として」という意味で、前の出来事や状況が変わらないことを示しています。
時計が依然として時間を刻み続けていることを強調しています。
“muffled”は「こもった」「はっきりしない」という意味。音が抑えられている様子を表現します。
ですのでここの文は「柔らかくこもった鐘の音で」という意味ですね。
But it stopp’d short
Never to go again
When the old man died
でも急に止まって
もう動かなくなってしまった
おじいさんが亡くなったその時に
補足
『大きな古時計』(Grandfather’s Clock)は、アメリカの作曲家ヘンリー・クレイ・ワークが1876年に発表した楽曲です。
歌詞は、ワークがイギリスの「ジョージ・ホテル」に泊った際、ホテル内にあった動かない古時計について、ホテルの主人から聴いたエピソードが元になっているそうです。
ちなみに、『大きな古時計』がアメリカで出版された2年後の1878年には、同じくヘンリー・クレイ・ワークにより『大きな古時計 続編』が発表されています。
おじいさんの死後に時計がどうなったかの後日談なので、気になる方はチェックしてみてください。
まとめ:童謡で楽しく英語学習しよう!
いかがでしたでしょうか?
今回は『線路はつづくよどこまでも』『大きな古時計』を解説しました。
日本語歌詞とだいぶ違うことにびっくりですよね。
私は知り合いからこの本をもらい、そこから童謡の英語歌詞を知ってもっと調べてみたいと思いました。
身近な童謡の英語歌詞や背景を調べてみるとおもしろいのでぜひおすすめです。