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英語学習をしていると時々こんなトピックを目にします。
今後AIや翻訳機能が発達することで、英語学習の意味はなくなるか?
おそらく英語を仕事や日常生活で必要していない方は“Yes“でしょう。
一方、私のように必死に英語学習をしている人は、これまでの努力を正当化するために“No”と答えます。
そして、必死に理由を探します。
もちろん私も”No”と答えたいので、いくつか理由を探しました。
結論から言うと、英語を学習する意味はあります。
そうはいっても、AIや自動翻訳は素晴らしい技術であり、有効に使えるものはどんどん使う方が良いと思います。
そこで今回は、英語学習における「AIや自動翻訳の現状」と「英語学習の必要性」について解説します。
- AIや機械翻訳でできること・できないこと
- 英語学習をすることで「英語力以外」で得られること
AIや自動翻訳でできること

まずは、現状のAIや自動翻訳でできることは何でしょうか?
それは、「人がやりたいことをサポートする」ということです。
リーディング・ライティングのサポート
メールやチャットのようにテキストベースで会話するものであれば、機械翻訳で十分可能です。
また、マニュアル的な技術文書はAIでできてしまうでしょう。

リアルタイムの翻訳が必要ないシーンではとても役に立ちます。
英語学習
英語学習におけるAIの活用はめざましいですよね。
アプリでは「スピークバディ」が有名ですし、チャットベースであればChatGPTやAIキャラクターを相手にチャットができるようなサービスは無料でたくさんあります。

VRとAIと掛け合わせた「スマートチューター」というサービスも面白いと思います。
また、AIで英語学習をするメリットもたくさんあります。
- 間違えを気にしたり、緊張せずに練習が可能
- 自分の都合に合わせて勉強できる
- 効率よく英会話の勉強に取り組める
現状ではあくまで「目的に対しての補助」という点ですが、AIを活用して英語学習ができます。
AIや自動翻訳ではできないこと

では、AIや自動翻訳ではできないことはなんでしょうか?
それは、「人間とのコミュニケーション」です。
これは日常会話にとどまらず、仕事上での「交渉」や「ディスカッション」、学校での「教育」も当てはまります。
会話の流れの理解
この議論でよく言われるのが、「AIは会話のコンテクスト(流れ)を理解できない」ということです。
AIや機械翻訳はコンピュータ(計算機)にすぎず、言葉を理解していないので、入力に対する出力をしているだけです。
そのため、その会話をするまでに至った経緯やこれからの展開を考慮し、相手に伝えるということは人間にしかできません。
① “What is your hobby?” “It is reading book.“
(あなたの趣味は?)(本を読むことです)
② “Look at the robot! It is reading book.“
(あのロボットをみて!本を読んでる)
どちらも”It is reading book.”ですが、「本を読むことです」「本を読んでる」と訳が異なっていますよね。
これは、前の文脈を受けて”reading”が動名詞になっているか、進行形になっているかで意味が違ってきます。
ちなみに、Google 翻訳をかけてみると、どちらも「名詞」として翻訳されました。

このように、前後の会話の流れを受けて意味を判断するということはAIにはできません。

AIは考えて文章を作成しているように見えますが、実はある単語の次に来る単語を計算して、最も確率が高いものを出力して文章のように見せているという動きにすぎません。
意味やニュアンスの理解
会話は文章のやりとりだけではなく、口の動きや表情、音声の強弱や音程など、言葉以外の要素があります。
これが伝えたいことに影響を与える部分であり、AIが理解できない部分でもあります。

たとえば、会話の中に挟まれるジョークを適切に訳すのは難しいですよね。
ウェイトレス:How about my omelette?
(オムレツの味はいかがですか?)
客:Eggcellent!
(エッグセレント)
※”Excellent!”を”Eggcellent!”に置き換えることで、「卵」と掛けてあります。
Google 翻訳をかけてみると、ある意味優秀で、普通に「素晴らしい」と訳してくれました。
補完して訳してくれたので内容は伝わりますが、日本語だけ聞いてもこれがジョークだとは誰も思いませんよね。

相手の理解
他国の人と会話するには、その言語の背景となる文化や思考法を理解して話す必要があります。
特にビジネスの場では相手のカルチャー、人間性、立場を理解したうえで自分の意見を伝えることが求められます。

思いもよらない表現が失礼にあたるかもしれませんし、そもそも伝わらないかもしれません。
上司:What do you think? Do you have any idea ?
(どう思う?何か意見はある?)
部下:Nothing.
(特にありません)
日本では「謙虚さ」を重んじ、「和をみださないこと」をとても重視しています。
一方、英語圏では「自分の意見をもつ」ということが大変重視されています。
リアルタイムでのコミュニケーション
リアルタイムでのコミュニケーションを必要とする「交渉」や「ディスカッション」などはAIには向いていません。
AIや機械翻訳を通して会話すると、「翻訳前の言語を入力する」「翻訳後の言語を出力する」というプロセスが入ります。
特に、日本語と英語では文法が大きく異なるので、1つの文章を最後まで言い切ってから翻訳する必要があります。
(英文を訳すときに、後ろから訳すという人も多いのではないでしょうか。)

プレゼンのように一人が一方的に話す場合は問題ありませんが、会話のような双方向のコミュニケーションの場合はどうしても伝わるのにラグが発生します。
英語学習で得られること

英語を学習することで、もちろん英語力が鍛えられますが、それだけではありません。
英語学習による恩恵について、「英語力が身に付く」以外のことを紹介します。
異文化への理解
言語を学ぶことで、その国の文化も一緒に学ぶことができます。
知っている方も多いと思いますが、例えばアメリカでは「チップ文化」があります。
チップ文化を知っていないと、”Tip”という日本語訳は分かっても、どういったことを意味するか分かりません。

チップを表現する単語は”Tip”の他、”Service Charge” “Gratuity”などがあります。
思考の広がり
英語を学習することで様々な文化の思考方法を知ることができ、物事に対して複眼的な捉え方ができます。
例えば、英語を話す上では「結論」が先で「背景」は後です。
一方、日本語はあいまいな表現が得意であり、それゆえに奥ゆかしさがあって美しい言語です。
どちらが良いというものではなく、「こういう考え方がある」ということを知っていることが大事であり、重要なのはシーンによって使い分けられることです。

英語ではなぜこの順番が重要かというと、「結論を先に言う」=「この話はどこに行き着くのか」という相手にストレスを感じさせないという考え方があるからです。
選択肢の広がり
英語学習が多様な経験につながる行動力に火をつけてくれることがあります。
英語を話せるようになると、使ってみたくなりますよね。
そうすると、外国人と話したり、海外に行ったりと、行動範囲がグンと広がります。
英語を学ぶプロセスで多くの人と出会い、さまざまな文化や価値観に触れる中で、自分が考える以上に生き方の選択肢は多いことが理解できるでしょう。

英語圏のニュースを見れるようになるので、情報収集のスピードやソースも増えます。
まとめ:将来はどうなるかわからない!今必要なら英語学習を続けよう!

今回は英語学習における「AIや自動翻訳の現状」と「英語学習の必要性」について解説しました。
現状では、AIや翻訳では人間とのコミュニケーションが苦手なので、まだまだ英語ができる人の価値は十分あります。
また、英語学習をすることで英語力以外の付加価値もあるので、今後も英語学習が有益なことは間違いないでしょう。
しかし、今後技術が発達してきて、「頭で思ったことを読み取り、口に出すときにそのまま英語に変換してくれる」という技術がでるかもしれません。
(夢のような話ですが)
将来どうなるかわからないことを気にして自分の行動を制限するのではなく、自分が「英語学習に価値がある!」と思ったら英語学習をするのが一番ですね!